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†お山の独り言†
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ろんりーはーと
2009.11.27 (Fri)

こんにちは(´ω`)

まだまだテスト期間中ーの白銀ッス。

今日はちょっぴりおサボり。

っちゅーわけで久しぶりに小説でもと思いまして。


お友達さんのお題から!

mission「ケータイ」「ふわふわ」「青空」の三つの言葉を文中に使用して短編小説を完成させよ!





<ろんりーはーと>


”ふわふわ”を探す、旅に出ようと思った。


寒い、寒い、心まで凍てつくような寒さの続くこの頃。

あたしの友達らは愛しの彼とぽかぽか・・・すら通り越して熱々状態の中、

とうとうあたしの”ろんりーはーと”は爆発した。


「あの人もこの人もみんなみんなあたしのこと好きっていってくれればいいのにっ!ぎゃーっ!」


夜道の真ん中で大声で叫んだあたしは、もちろん仲間に(同じくろんりーな奴らに)無事、取り押さえられたのだった。

「落ち着けっ!」

「叫んだって何にもなんねえよ!」

「ちっと気分転換してこい」


(ろんりーな)仲間に口々にそう言われ、寂しさの増す暇な日曜日にあたしはそれを決行した。


”ふわふわ”を探す、旅に出よう。


ガチガチの、このろんりーはーとをどうにかするには、それに打ち勝つ”ふわふわ”を探すしかないと思った。

(どうしてこれしか思いつかなかったのかは分からない。とにかくどうしようもなくそんな気分だったんだから。)


とりあえず、毎日学校に行くのに使う電車に乗り、定期の使える範囲で(ここ重要)いつもなら絶対に降りないような無名の駅に降りた。


ケータイは、置いてきた。

あまりメールのないあたしのケータイは、持ってるだけで空しさが増してしまうから。

お気に入りの柔らかいニットの鞄には、定期入れと、小銭入れと、iPod、ハンカチ、ティッシュ。

それから、見つけた”ふわふわ”を撮るためのデジタルカメラ。


・・・あれ、そういやこのニット鞄、”ふわふわ”だ。

記念すべき一枚目はこれに決定した。

――――――

知らない町をぶらぶらと歩く。

都会でもなく、辺り一面見渡す限り田んぼというほど田舎でもない、まあ、町から出なくても不自由はしないであろう町だ。

ぶらぶらするのに丁度いい。


秋のすかん、とぬけた青空が、あたしの頭上いっぱいに広がっている。

絶好の”ふわふわ”探し日和。

寂しいあたしに、同情なのかなんなのかしてくれた空からの贈り物みたい。

二枚目。道ばたに落ちていた鳥の羽。

三枚目。散歩中のわんこ。

四枚目。ベンチで居眠りしている老人の、薄くはなっているものの、真っ白で細いフサフサの髪の毛。


写真は着々と増えていく。


五枚目。お昼に買った、小さなパン屋の焼きたてパン。

六枚目。狭い路地で出会った白猫。

七枚目。アスファルトの割れ目からひょろりと伸びた、季節外れのたんぽぽの綿毛。

八枚目―


ふ、と顔を上げてびっくり。

いつの間にか景色が紅色に染まり始めていた。

紅と蒼のグラデーションのかかった空に、鱗雲が張り付いていた。


―あ、”ふわふわ”。


空にカメラを向ける。


かしゃ。


小さく、乾いた音がした。

・・・夕方のにおいがする。

それぞれの家の、夕飯のにおいが混ざり合ってできた、懐かしくて、なんとなく寂しくなる、夕方のにおい。

知らない町でも同じにおいがするんだ。


何故か涙が滲んだ。

いつもにも増して、空が綺麗だと思えるのは何でだろう?


「・・・帰ろうかな。」


ぽそ、と誰に言うでもなく呟いた。


――――――

駅までの道のり、あたしはふらふらしながら空を撮り続けた(何度もこけそうになった)。

毎分、毎秒、空のかおは変わっていく。


駅に着いた頃には、辺りはもう真っ暗だった。

電車に乗ると、どうやら帰宅ラッシュのようで、サラリーマンやOLがぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。

若い人も、中年の人も、定年間近の人も、みんないつもより疲れた顔をしているように見える。


季節のせいかしら。


どうやら寒い機構は人々の感情を浮き彫りにするみたいだ。

そのおかげで、いつもは紛れてる寂しさも披露も辛さも苦しさも、丸々と姿を現してしまうんだ。


デジカメを手に取る。

今日撮った写真を見てみた。

最後の方は空ばっかりだ。

そういえば、冬は空が澄んでいるんだっけ。

だから綺麗に見えたんだろうか。と思いかけて、思考を戻す。


あれれ。

あ、そっか。


人の気持ちが素直に出ちゃうからだ。

だから、いつもはくだらない日常のために掻き消されていた「綺麗だなあ」という気持ちも、今こうして姿を現してくれたんだ。

世紀の大発見をした気分になって、思わずふふ、と笑みがこぼれる(あたしの後ろに立っていたおじさんがたじろく気配を感じた)。


そっかあ、そっかあ。


寒い時期なんて、心まで冷え切っちゃう気がして嫌になってたけど、素直になってるだけなんだと思ったら、

なんだ、いいじゃん、冬。


いい旅ができた。

明日は学校だ。

ろんりーな仲間にこのことを教えてやろう。


あたしは、また一人で笑った。


「たまには素直になっとかなきゃ。ねえ?」

あとがき。

2・3週間前に書いたやつでござんす。(´ω`)
学校のお友達にお題をもらってやりました。
帰宅中にケータイでぽちぽち。
そこそこのできかしら?
結構長くなってしまって大変でした(苦笑

あたしもろんりーはーとの持ち主サっ☆

*誤字脱字を見つけた方はこっそり教えてくださいっ
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